- 時間帯で遅くなる仕組み(借りている回線の太さと利用者の集中)
- 混雑とほかの原因を切り分ける順番
- 混む時間の工夫と、契約前に確かめられること
結論
格安SIM(MVNO)が昼休みや通勤時間帯に遅くなることがあるのは、MVNOが大手の携帯会社(MNO)から借りている回線の太さに限りがあり、そこへ同じ時間に利用者が集まるためです。総務省も、お昼休み・通勤時間帯・夜間など通信が混み合う時間は速度が下がる場合があると案内しています。いつ・どれだけ遅くなるかは、会社や時期、場所で変わるため、ここでは数値は挙げません。
仕組み:借りるのは「太さ」
総務省の情報通信白書では、MVNOが大手に支払うデータの接続料が「10Mbps当たり・月額」で示されています。つまりMVNOは、どれだけの太さ(帯域)を借りるかを決めて費用を払っています。
例えば、ある架空のMVNOの利用者の多くが、12時を過ぎて一斉に動画やSNSを開いたとします。借りている太さは同じなので、一人あたりに回る分が減り、速度が下がります。利用者の少ない時間帯は、同じ太さを少ない人数で分けるので速く感じやすくなります。
また、総務省の品質測定のページでは、携帯のインターネット接続サービスを「最大通信速度(ベストエフォート)型」のサービスとして挙げ、うたわれる速度と実際の速度が離れているという苦情が増えていたことを紹介しています。ベストエフォートは、最大速度を目指すものの保証はしない、という意味です。広告に出る最大速度は、いつも出る速さではありません。
速度は保証されない「ベストエフォート」です。遅いときは、場所・端末・時間帯を分けて確かめます。
混雑かどうかを切り分ける
遅いときに、すぐ混雑のせいと決めないことが大切です。次の順で確かめます。
- 契約の容量を使い切っていないか(通信制限で遅くなっている場合がある)
- 同じ場所で、混まない時間帯(例えば平日の午前中)は速いか
- 同じ時間帯に、別の場所でも遅いか(建物の奥や地下は電波が弱いことがある)
- Wi-Fiでは同じアプリが普通に動くか
特定の時間帯だけ遅く、場所を変えても同じなら、混雑の可能性が高くなります。圏外になる、まったくつながらないという場合は、混雑とは別の原因を疑います。
混む時間の工夫
- 動画や音楽は、Wi-Fiのある所で前もってダウンロードしておく
- アプリやOSの更新、写真のバックアップは混む時間を避ける
- 昼休みに使う職場や店では、使ってよいWi-Fiがあるか確かめる
- 動画アプリの画質をモバイル用に低めにする
契約前・契約後に確かめられること
総務省は、通信速度が気になる人に向けて、総務省のガイドラインに基づき速度を測って公表している事業者もあるので確認しよう、と案内しています。公表している場合は、測った時間帯や場所などの条件もあわせて見ます。数字は決まった条件での測定の結果で、自分の場所での速さを約束するものではありません。
契約したあとで想定と違った場合、総務省のポータルサイトでは、契約書面を受け取ってから8日以内なら「初期契約解除」で解約できる制度が説明されています。会社によっては、代わりに「確認措置」という制度を使っています。端末の購入はキャンセルできない場合が多いなどの注意点もあるため、詳しくは契約先の案内と総務省のページで確かめてください。
確認リスト
- 容量を使い切って通信制限になっていないか
- 遅いのは特定の時間帯だけか
- 場所を変えても遅いか
- Wi-Fiでは問題なく動くか
- 契約先(または候補)が速度の測定結果を公表しているか
今日、まず確認すること
遅いと感じた時間帯と場所を、メモしておいてください(例:平日の昼休み・駅)。