- eSIMと物理SIMの違い
- 開通の流れと準備するもの
- 機種変更で失敗しない順番
- デュアルSIMと海外での使い方
結論
eSIMは、スマホの中に組み込まれた部品に、携帯会社の契約の情報を通信で書き込む仕組みです。カードを抜き差ししない分、「入れる」「移す」「消す」がすべて画面の中の操作になります。いちばん気をつけたいのは機種変更のときで、新しいスマホで開通を確かめる前に古いスマホを初期化しないことです。
eSIMと物理SIMの違い
SIMの役割は、携帯会社の回線を使うための会員証です(詳しくは「SIMカードとは?」の記事)。eSIMも役割は同じで、違うのは入れ物です。物理SIMは契約の情報をカードに入れて届け、eSIMは同じ情報をデータとして届けて、スマホの中の部品に書き込みます。この書き込まれた契約の情報のまとまりを「プロファイル」と呼びます。
| 比べる点 | 物理SIM | eSIM |
|---|---|---|
| 届き方 | カードを郵送や店頭で受け取る | 通信で書き込む |
| 使い始めるまで | カードの到着を待つ | 手続きが済めば設定できる場合がある |
| なくす・壊す心配 | カードをなくすことがある | カードは無い |
| 機種変更 | カードを差し替える | 移す・再発行する手続きが要る |
| 必要な条件 | SIMトレイのある端末 | eSIMに対応した端末 |
総務省は2021年8月に「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を公表し、大手の携帯会社(MNO)にeSIMの提供を求めました。ただし、eSIMを扱うかどうか、どの手続きをオンラインでできるかは、会社ごとに違います。申し込む前に、各社の案内で確かめてください。
開通の流れ
会社によって細かい手順は違いますが、大まかな流れは次のとおりです。
- 使うスマホがeSIMに対応しているか、SIMロックがかかっていないかを確かめる
- 携帯会社に申し込み、本人確認を済ませる
- 案内に従って、QRコードを読み取るか、携帯会社のアプリから契約の情報をスマホに書き込む
- 必要な場合は、APN(データ通信の接続先)の設定をする
- 電話・SMS・モバイルデータ通信がそれぞれ使えるかを確かめる
準備として大事なのは、設定の途中で使えるWi-Fiです。書き込みが終わるまではモバイル回線が使えないため、自宅や職場のWi-Fiにつないでおきます。また、QRコードを読み取る方式では、設定するスマホ自身のカメラでコードを読むので、コードは別の画面(パソコンや家族のスマホ)か紙に表示しておく必要があります。
同じQRコードは使い回せない場合があります。一度使ったコードで入れ直せるとは考えず、うまくいかないときは携帯会社の案内に従って手続きしてください。
機種変更・再発行のときの注意点
再発行が必要になる場面
eSIMでは、次のような場面で、プロファイルをもう一度書き込む手続き(再発行)が必要になることがあります。
- 新しいスマホに機種変更するとき
- スマホが故障した、なくしたとき
- スマホを初期化した、またはeSIMのプロファイルを誤って削除したとき
再発行はオンライン・電話・店舗などで受け付けていますが、受付の方法や手数料の有無は会社によって違います。各社の案内で確かめてください。機種によっては、古いスマホから新しいスマホへeSIMを直接移す機能もありますが、使えるかどうかは携帯会社と機種の組み合わせで決まります。
失敗しにくい順番
たとえば、仕事でもスマホを使う人が週末に機種変更をするなら、次の順番にすると困りにくくなります。
- 古いスマホのデータをバックアップする
- 新しいスマホがeSIMに対応しているか、周波数が使う回線に合っているかを確かめる
- 新しいスマホでeSIMの手続きをして、電話・SMS・データ通信が使えることを確かめる
- 認証アプリ(ログインの確認コードを出すアプリ)や各サービスのログインを移す
- すべて終わってから、古いスマホを初期化する
開通を確かめる前に古いスマホを初期化すると、プロファイルが消え、どちらのスマホでも電話番号が使えない時間ができる場合があります。その間はSMSの確認コードも受け取れません。
SMSの確認コードでログインしているネット銀行やサービスがある場合は特に注意します。手続きの途中でログインが必要になっても、SIMが使えない間はコードが届きません。携帯会社の窓口が開いている時間に、余裕をもって始めるのが安全です。
デュアルSIMで1台に2回線
デュアルSIMは、1台のスマホで2つの回線を使える仕組みです。組み合わせは、物理SIMとeSIM、またはeSIMを2つなど、機種によって対応が違います。
使い方の例をいくつか挙げます。
- 仕事用と個人用の電話番号を、1台のスマホで使い分ける
- 通話は今までの回線、データ通信は別の会社の回線、と役割を分ける
- 一方の回線がつながりにくい場所で、もう一方の回線に切り替える
注意点もあります。どちらの回線でデータ通信をするか、どちらの番号で電話をかけるかを、設定で決めておく必要があります。2つの回線を同時に待ち受けできるか、片方で通話中にもう片方がどうなるかは機種によって違います。また、当然ながら両方の回線の料金がかかります。
海外で使うときの注意
日本の契約のまま海外で通信することを「データローミング」といいます。日本の携帯会社が、海外の携帯会社の回線を借りて通信させる仕組みです。料金は会社・プラン・国によって違い、使い方によっては高額になることもあるため、出発前に各社の案内で確かめます。スマホの設定で「データローミング」をオフにしておくと、意図しない通信を防げます。
もう一つの方法は、旅行先で使えるデータ通信用のeSIMを追加することです。デュアルSIMの使い方の一つで、日本の回線は電話やSMSの待ち受けに残し、データ通信は追加したeSIMで行います。この場合も、日本の回線のデータローミングがオンのままだと、そちらで通信してしまうことがあるので、設定を確かめてください。海外で着信やSMSを受けたときの料金も、各社の案内で確かめておくと安心です。
海外のSIMやeSIMを使うには、スマホにSIMロックがかかっていないことが前提です。2021年10月より前に発売された端末では、ロックが残っていないかを先に確かめます。
まとめ
eSIMは、物理SIMと同じ会員証を、カードではなくデータで受け取る仕組みです。抜き差しがない分、機種変更や初期化のときに手続きが必要になります。
- 開通は、Wi-Fiにつないだ状態で、QRコードを別の画面に表示して行う
- 機種変更では、新しいスマホで開通を確かめてから古いスマホを初期化する
- 再発行の方法や手数料、端末間で移せるかは、各社の案内で確かめる
- デュアルSIMや海外での利用は、どの回線でデータ通信をするかを設定で決めておく