スマホ・通信

格安SIMとは?安い理由と大手キャリアとの違い

格安SIMは、大手通信会社の回線を借りてスマホの通信サービスを提供する事業者(MVNO)のサービスです。安くできる理由、大手キャリアやサブブランドとの違い、混む時間の速度、店舗サポート、通話、家族での利用、乗り換える前に確かめることを整理します。

最終確認 2026.09.26約7分で読めます

この記事で分かること
  • 格安SIMとMVNO・MNOの関係
  • 格安SIMが安くできる理由
  • 混む時間の速度と店舗サポート
  • 家族で使うときの比べ方
  • 乗り換える前に確かめる順番

結論

格安SIMは、自社で大規模な携帯電話の設備を持たない会社が、大手通信会社の回線を借りて提供しているスマホの通信サービスです。安さの多くは「設備と店舗にかかるお金が少ない」ことから来ていて、その代わりに、混む時間の通信速度や、店頭で相談できる場所の少なさに差が出ることがあります。

向いているかどうかは、料金表より先に「どの時間帯に、どこで、どれくらい使うか」「困ったときに自分で調べて手続きできるか」で決まります。この記事では特定の会社をすすめず、仕組みと確かめる順番だけを整理します。

格安SIMとMVNO、MNOの関係

スマホの通信サービスを提供している会社は、大きく2種類に分けられます。

  • MNO:自社で基地局などのネットワークを整備している携帯会社です。総務省は例として、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルを挙げています。いわゆる「大手キャリア」です。
  • MVNO:通信設備を持つ会社からネットワークを借りて、携帯電話のサービスを提供する事業者です。総務省の案内では、「格安スマホ」「格安SIM」はこのMVNOのサービスを指しています。

たとえば、ある格安SIMの会社がドコモの回線を借りていれば、電波そのものはドコモの基地局から届きます。つながる範囲は借りている回線に近くなりますが、混み具合は、その会社がどれだけの量の回線を借りているかによって変わります。

サブブランドとオンライン専用ブランド

ややこしいのが、大手キャリア自身が出している安めのブランドです。2026年9月時点では、次のようなものがあります。

  • サブブランド:大手キャリアが、メインとは別の名前で出しているブランド。例:UQ mobile(KDDI)、Y!mobile(ソフトバンク)
  • オンライン専用ブランド:申し込みやサポートを主にオンラインで行うブランド。例:ahamo(ドコモ)、povo(KDDI)、LINEMO(ソフトバンク)

これらは会話や広告で「格安SIM」とひとまとめに呼ばれることがありますが、提供しているのはMNOの側です。MVNOとは仕組みが違うので、比べるときは分けて考えると混乱しにくくなります。料金やサービスの中身は変わりやすいため、ここでは書きません。各社の公式の案内で確かめてください。

なぜ安くできるのか

格安SIMが安い理由は、ひと言でいえば「持っていないもの、していないことが多い」からです。

  • 設備を自前で持たない:基地局の建設や保守を自社で行わず、大手の回線を借りています。
  • 店舗が少ない:総務省も、格安SIMは店舗が少なく、オンラインでの対応が中心だと案内しています。店舗の家賃や人件費が少ない分を、料金に反映しやすくなります。
  • 小さめのプランが多い:総務省の案内では、1GB・3GB・6GBといった低容量のプランが多いとされています。あまり使わない人に合わせたプランを用意しやすい形です。

逆に言うと、安さは「何かを省いた結果」です。省かれたものが自分にとって要らないものなら得になり、要るものなら不便になります。ここを飛ばして月額だけで比べると、乗り換えたあとに「こんなはずでは」となりやすくなります。

大手キャリアとの違い

混む時間の通信速度

総務省は、格安SIMはネットワークの一部を借りているため、お昼休みや通勤時間帯、夜間など、利用が集中する時間にデータ通信の速度が下がる場合があると案内しています。

昼休みに動画を見る、通勤電車で地図やニュースを開く、といった使い方が多い人は、この点を最初に考えておきたいところです。反対に、日中は会社のWi-Fi、家では自宅の光回線を使っていて、スマホの回線は外出先の連絡くらい、という人は影響を感じにくいかもしれません。どのくらい遅くなるかは会社や時期で変わるため、数字で決めつけることはできません。

店舗でのサポート

大手キャリアは、契約の変更や故障の相談、初期設定の手伝いを店頭で受けられるのが一般的です。格安SIMでは、申し込みから設定、困ったときの相談まで、ウェブやチャット、電話で行う場面が多くなります。

たとえば、SIMカードが届いたあとに、接続先(APN)の設定を自分で行う必要がある場合があります。説明を読みながら設定できる人には問題になりませんが、家族のスマホの設定を代わりに引き受けることが多い人は、その手間も含めて考えてください。

通話

通話料の仕組みは、会社やプランによって違います。話した分だけかかる形もあれば、一定の時間まで、あるいは国内通話をかけ放題にするオプションを付ける形もあります。仕事で長めの電話をよくかける人は、データ容量よりも通話の条件のほうが毎月の支払いに効くことがあります。

家族で使うとき

家族で同じ大手キャリアを使っていると、家族割引や、自宅の光回線とのセット割引が付いている場合があります。1人だけ格安SIMに移ると、残る家族の割引の条件が変わることがあります。

例として、4人家族のうち、ほとんどスマホを使わない親の1台だけを移す場合を考えます。その1台の料金は下がっても、残り3人の割引が減れば、家族全体の合計ではあまり変わらないこともあります。比べるときは「1台の料金」ではなく「家族全体の毎月の合計」で見てください。子どもや高齢の家族のスマホでは、見守りの機能や、困ったときに誰が対応するのかも、安さと同じくらい大事になります。

デメリットと向き不向き

ここまでの話を整理すると、格安SIMのデメリットになりやすいのは次の点です。

  • 混む時間帯に、データ通信の速度が下がる場合がある
  • 店舗が少なく、手続きや相談はオンラインが中心
  • 大手キャリアのメールアドレス(キャリアメール)は、乗り換えると使えなくなる場合がある
  • 家族割引やセット割引の条件が変わることがある
  • 通話の条件はプランごとに違うため、よく電話をかける人は確認が要る
見るところ格安SIMが合いやすい合いにくいことがある
使う時間帯Wi-Fiのある場所が中心昼や通勤中にたくさん使う
手続き自分で調べて設定できる店頭で相談したい
通話通話は少なめ仕事で長い電話が多い
家族1人で契約している家族割やセット割に入っている

表はあくまで目安です。当てはまる行が多い側が、そのまま答えになるわけではありません。「昼に速度が落ちても困らないか」「店頭で相談できなくても困らないか」の2つに、自分で答えられるかを考えてみてください。

乗り換える前に確かめること

乗り換えを考え始めたら、料金を比べる前に、次の順番で確かめると迷いにくくなります。

  1. 今の使い方を知る:直近数か月のデータ使用量と通話の時間を、今の会社の明細やアプリで確認します。月によってばらつくので、1か月分だけで決めないでください。
  2. 今のスマホが使えるか:2021年10月以降に発売されたスマホはSIMロックが原則禁止ですが、それより前の大手キャリアの端末にはSIMロックがかかっている場合があります。ロックを外しても、端末が対応している周波数によってはつながりにくいことがあります。乗り換え先が公開している動作確認の情報を見てください。
  3. SIMカードかeSIMか:SIMカードにはサイズや機能の違いがあります。端末に合うものを選びます。
  4. キャリアメールを使っているか:銀行や通販などの登録にキャリアメールを使っていないか、先に洗い出します。引き続き使える仕組みを用意している会社もあるので、今の会社の案内も確認します。
  5. 家族の割引と端末の支払い:家族割やセット割がどう変わるか、端末の分割払いが残っていないかを確認します。
  6. 電話番号を変えたくないか:今の番号のまま移るには、MNPという手続きを使います。
ここがポイント
電話番号をそのまま持っていくMNPの流れと、乗り換え前の確認は、次に読む記事で詳しく説明しています。

まとめ

格安SIMは、MVNOが大手の回線を借りて提供する通信サービスです。安くできるのは設備や店舗にかかるお金が少ないからで、その分、混む時間の速度や店頭サポートに差が出ることがあります。サブブランドやオンライン専用ブランドは大手キャリアが出しているもので、MVNOとは分けて考えます。決めるときは、1台の月額ではなく、使う時間帯、サポートの受け方、通話、家族全体の合計で比べてください。