スマホ・通信

SIMカードとは?スマホが通信できる仕組みをやさしく解説

SIMカードは、スマホに「この契約で携帯の回線を使ってよい」と伝える小さなICカードです。電話番号や契約情報との関係、物理SIMとeSIMの違い、SIMを抜いたときに使える機能と使えない機能、サイズとSIMロックの基本を、初めての人向けに整理します。

最終確認 2026.09.26約6分で読めます

この記事で分かること
  • SIMが何を確かめているか
  • 電話番号とSIMの本当の関係
  • SIMを抜いても使える機能
  • SIMロックと周波数の見方

結論

SIMカードは、スマホに「この人の契約で携帯電話の回線を使ってよい」と伝えるための小さなICカードです。電話番号がスマホ本体に入っているわけではなく、携帯会社がSIMの契約と電話番号を結びつけて管理しています。そのため、SIMが無いスマホでも、Wi-Fiにつなげばアプリやインターネットは使えます。使えなくなるのは、携帯の回線を使う電話・SMS・モバイルデータ通信です。

SIMカードの役割は、回線の「会員証」

日常のものにたとえると、SIMはスポーツジムの会員証に近いものです。ジムの建物は外から誰でも見えますが、中の設備を使えるのは会員証を持っている人だけです。スマホも同じで、携帯会社の電波はあちこちに届いていても、SIMで契約を確かめられないと、その会社のネットワークは使わせてもらえません。

少し正確にいうと、SIM(Subscriber Identity Module、加入者を見分けるための部品)の中には、契約を見分けるための番号と、なりすましを防ぐ認証に使う情報が入っています。スマホが電源を入れて基地局(携帯の電波を出すアンテナ設備)につながるとき、この情報を使って「正しい契約のSIMか」が確かめられます。認証に使う秘密の情報はSIMの外に取り出せないように作られていて、利用者が中身を書き換えることは想定されていません。

ここがポイント
SIMは「契約を示すもの」、スマホ本体は「通信する機械」と分けて考えると、この先の話が分かりやすくなります。機械の側にも、1台ごとの識別番号としてIMEIという番号が付いています。

電話番号・契約情報との関係

「電話番号はSIMに入っている」と説明されることがありますが、番号を管理しているのは携帯会社です。携帯会社の設備の中で、「このSIM」と「この電話番号」と「料金プラン」が結びつけられています。SIMは、その契約を呼び出すための鍵にあたります。

この仕組みから、次のようなことが起きます。

  • SIMを別のスマホに差し替えると、そのスマホから同じ電話番号で電話がかけられる(端末が回線に対応している場合)
  • SIMをなくしたときは、携帯会社に連絡してそのSIMを止め、新しいSIMを発行してもらう。番号は契約に付いているので、SIMを替えても番号を続けて使える。再発行の方法や手数料は各社の案内で確認する
  • 携帯会社を乗り換えるときは、SIMを新しい会社のものに替える。番号をそのまま持っていく手続きがMNP(携帯電話番号ポータビリティ)

名義、料金プラン、今月のデータ使用量といった情報も、携帯会社の側で管理されています。SIMカードを見ても残りのデータ量は分かりません。確かめるときは、携帯会社のアプリや会員ページを開きます。

物理SIMとeSIM

ここまで話してきたのは、スマホの側面のトレイに差し込むカード型のSIMです。これを「物理SIM」と呼びます。これに対して、スマホの中にあらかじめ組み込まれた部品に、契約の情報を通信で書き込む方式が「eSIM」です。役割は同じで、違うのは契約の情報を「カードで受け取る」か「データで受け取る」かです。

比べる点物理SIMeSIM
形トレイに差し込むカード本体に組み込まれた部品
受け取り方郵送や店頭でカードを受け取る通信で契約の情報を書き込む
別のスマホで使うときカードを差し替える移す・入れ直す手続きが要る
使える端末SIMトレイのある端末eSIMに対応した端末

総務省は2021年8月に「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を公表し、大手の携帯会社にeSIMの提供を求めました。eSIMはカードの到着を待たずに使い始められる場合がある一方、機種変更のときは画面の中での手続きが必要になります。詳しくは次の記事「eSIMとは?」で扱います。

SIMを抜くと、何ができて何ができないか

SIMを抜いたスマホや、解約済みのSIMが入ったままのスマホで、何ができるかを整理します。

機能SIMなし・Wi-FiありSIMなし・Wi-Fiなし
電話番号を使った通話できないできない
SMS(電話番号あてのメッセージ)できないできない
ウェブ閲覧・アプリ・動画できるできない
メッセージアプリの無料通話などできるできない
カメラ・保存した写真や音楽できるできる

たとえば、機種変更で使わなくなった古いスマホは、SIMが無くても、家の中でWi-Fiにつないで音楽を流したり、子どもの調べもの用にしたりできます。逆に困りやすいのは、ネット銀行や各種サービスのログインで、SMSに届く確認コードを使っている場合です。SIMが入っていない端末では、このコードを受け取れません。

緊急通報の扱いは、機種や状況によって違うため、ここでは触れません。

注意
スマホを修理に出す、人に譲る、下取りに出すときは、先にSIMを抜いておきます。SIMが入ったままだと、ほかの人がその番号で電話やSMSを使える状態になります。

SIMのサイズとSIMロック

サイズと機能の違い

物理SIMには大きさの違う種類があり、今のスマホでは「nanoSIM」と呼ばれる小さい種類がよく使われています。古い端末では、それより大きいサイズを使うものもあります。総務省の案内でも、SIMカードにはサイズや機能の違いがあるため、端末に合うものを選ぶよう書かれています。申し込みの画面でサイズを選ぶ場合は、自分の端末の仕様を確かめてから選びます。

SIMロック

SIMロックは、ある携帯会社で買った端末を、その会社のSIMでしか使えないようにする制限です。総務省の案内では、2021年10月以降に発売されたスマホはSIMロックが原則禁止されています。それより前に大手の携帯会社で買った端末には、SIMロックがかかっている場合があります。解除の手続きは、ウェブで行えば無料です。電話や店舗では手数料がかかる場合があります。

SIMロックが無くても、どのSIMでも同じように使えるとは限りません。端末が対応している電波の周波数と、使う回線の周波数が合っていないと、場所によってつながりにくくなる場合があります。また、別の会社のSIMを入れたとき、APN(データ通信の接続先の設定)を入れないと、データ通信やVoLTE(4G(LTE)の回線で音声通話をする仕組み)が使えない場合があります。乗り換え先の会社が「動作を確認した端末」の一覧を出していれば、それが判断の手がかりになります。

まとめ

SIMは、携帯会社の回線を使うための会員証です。電話番号や料金プランは携帯会社が管理していて、SIMはその契約を呼び出す鍵の役割をします。SIMが無くてもWi-Fiでインターネットは使えますが、電話番号を使う通話とSMSは使えません。

自分のスマホについて、次の4つを確かめておくと、乗り換えや機種変更のときに慌てずに済みます。

  1. 物理SIMか、eSIMか、両方使える機種か(設定画面のモバイル通信の項目で確認)
  2. SIMロックがかかっていないか
  3. SMSの確認コードでログインしているサービスはどれか
  4. 別の会社のSIMを使う予定があれば、対応周波数とAPNの設定方法