スマホ・通信

MNPとは?電話番号を変えずに携帯会社を乗り換える方法

MNPは、今の電話番号のまま別の携帯会社へ乗り換える手続きです。2023年に始まったワンストップ方式と従来の2段階方式の違い、MNP予約番号、開通と解約のタイミング、手数料、キャリアメールや家族割、端末の分割払いなど乗り換える前の確認を整理します。

最終確認 2026.10.24制度状況:現行約6分で読めます

この記事で分かること
  • MNPで持っていけるもの
  • ワンストップ方式と2段階方式
  • 今の契約を解約するタイミング
  • 転出の手数料の決まり
  • 乗り換える前に確かめる項目

結論

MNP(携帯電話番号ポータビリティ)は、今使っている電話番号をそのまま持って、別の携帯会社に乗り換える手続きです。今は、乗り換え先で申し込むだけで済む「ワンストップ方式」と、今の会社で「MNP予約番号」を取ってから申し込む「2段階方式」があります。

つまずきやすいのは、手続きそのものより乗り換えの「前」です。キャリアメール、家族割、端末の分割払い、今のスマホがそのまま使えるか。この4つを先に確かめておくと、あとから困ることが減ります。この記事の制度の説明は、総務省の携帯電話ポータルサイトで確認した内容にもとづいています(確認した日は記事の上と最後に書いています)。

MNPとは何か

電話番号は、携帯会社と契約したときに割り当てられるものです。以前は会社を変えると番号も変わり、取引先や知人に新しい番号を知らせ直す必要がありました。MNPは、この「番号が変わる」負担をなくすための仕組みです。

電話番号は、思っている以上に多くの場所に登録されています。名刺、取引先の連絡先一覧、銀行や役所の登録、ログインのときにSMSで確認コードを受け取るサービスなどです。番号が変わらなければ、これらを1つずつ直す必要がありません。MNPを使うかどうかは、自分の番号がどれだけ多くの場所に登録されているかで考えるとわかりやすくなります。

ただし、MNPで持っていけるのは電話番号です。契約していた会社のメールアドレスや割引、ポイントなどは、そのまま引き継がれるとは限りません。この点は後半で確認します。

ワンストップ方式と2段階方式

ワンストップ方式

2023年5月24日に始まった方式です。乗り換え先の会社で申し込むだけで手続きが進み、MNP予約番号を取る必要がありません。今の会社のウェブサイトなどで番号を発行してもらう手間がなくなりました。

使えるのは、乗り換え元と乗り換え先の両方がこの方式に対応している場合です。対応しているかどうかは、各社の案内で確かめてください。

2段階方式(MNP予約番号を使う)

従来からある方式です。流れは次のとおりです。

  1. 今の携帯会社で「MNP予約番号」を発行してもらう
  2. 乗り換え先の会社で、その予約番号を使って申し込む
  3. 届いたSIMカードやeSIMで、開通の手続きをする

MNP予約番号には有効期限があります。期限の長さや、申し込みのときに期限がどれだけ残っている必要があるかは、会社の案内で確認してください。期限が切れた場合は、取り直すことになります。

見るところワンストップ方式2段階方式
MNP予約番号要らない今の会社で発行する
自分で手続きする場所乗り換え先だけ今の会社と乗り換え先
使える条件両方の会社が対応している従来からある方式

開通・解約のタイミングと手数料

今の契約は先に解約しない

乗り換えで迷いやすいのが「今の契約はいつ解約すればいいのか」です。

MNPで乗り換える場合、自分で先に今の契約を解約する必要はありません。先に解約すると電話番号そのものがなくなり、持っていけなくなります。総務省の案内では、乗り換え先での契約が完了するまで、今の契約は解約されないとされています。乗り換え先での手続きが済んだ時点で、元の会社の契約が終わる流れです。

注意
MNPで乗り換えるときは、今の契約を自分で先に解約しないでください。電話番号がなくなり、持っていけなくなります。

開通の時間を選ぶ

新しいSIMカードやeSIMを受け取ったら、ウェブや電話などで開通の手続きをします。切り替わるまでの間は、電話やデータ通信がつながらない時間が出ることがあります。仕事の電話を待っている時間帯や外出中は避け、自宅や会社のWi-Fiが使える時間に行うと安心です。

また、月の途中で乗り換えたときに、今の会社の最後の月の料金が日割りになるかどうかは、会社ごとに扱いが違います。今の会社の案内で確認してください。

手数料と引き止め

総務省の案内では、今の会社から番号を移す(転出する)手続きは、ウェブで行えば無料です。電話や店舗で手続きした場合は、1,100円以下の手数料がかかる場合があります。乗り換え先で新しく契約するときの事務手数料などは、これとは別に各社が決めています。見積もるときは、転出の手数料と乗り換え先の費用を分けて確認してください。

また、総務省の案内では、乗り換え元の会社が、利用者の同意なくMNPを引き止める営業をすることは禁止されています。

乗り換える前に確かめること

手続きに入る前に、次の項目を1つずつ確認します。

  • キャリアメール:携帯会社の名前が入ったメールアドレスは、乗り換えると使えなくなる場合があります。引き続き使える仕組みを用意している会社もあるので、今の会社の案内を確認してください。銀行、通販、行政のサービスなどに登録しているなら、乗り換える前に別のメールアドレスへ変更しておくと安心です。
  • 家族割・セット割:家族で同じ会社を使っている、または自宅の光回線とセットで割引を受けている場合、1人が抜けると、残る家族の割引の条件が変わることがあります。
  • 端末の分割払い:スマホ本体の代金を分割で払っている場合、乗り換えたからといって残りの支払いがなくなるわけではありません。残りをどう払うかは契約の内容によります。端末を返すと支払いが減るプログラムに入っている場合は、その条件も確かめます。
  • 今のスマホが使えるか:2021年10月以降に発売されたスマホはSIMロックが原則禁止です。それより前の大手キャリアの端末には、SIMロックがかかっている場合があります。解除はウェブなら無料で、電話や店舗では手数料がかかる場合があります。ロックを外しても、対応している周波数によってはつながりにくいことがあります。
  • SIMカードかeSIMか:乗り換え先でSIMカードとeSIMのどちらを使うか、端末がそれに対応しているかを確かめます。
  • 携帯料金と一緒に払っているもの:携帯料金とまとめて払っているサービスや、たまっているポイントの扱いを確認します。

実際の流れの例

例として、個人事業で名刺に携帯番号を載せている人が、大手キャリアから別の会社に乗り換える場合を考えます。

  1. キャリアメールを登録しているサービスを書き出し、別のメールアドレスに変更する
  2. 家族割と、端末の残りの支払いを、今の会社の会員ページで確かめる
  3. 乗り換え先がワンストップ方式に対応しているかを確認する。対応していなければ、今の会社でMNP予約番号を発行してもらう
  4. 乗り換え先で申し込み、SIMカードかeSIMを受け取る
  5. 仕事の電話が少ない日の、Wi-Fiが使える時間に開通の手続きをする
  6. 電話の発信と着信、SMS、データ通信が使えるかを確かめる

名刺を刷り直したり、取引先に新しい番号を知らせたりする必要はありません。番号が変わらないことが、MNPのいちばんの利点です。反対に、手順1と2を飛ばすと、メールが届かない、思っていたより割引が減った、といった形で後から気づくことになります。

まとめ

MNPは、電話番号をそのまま持って携帯会社を乗り換える手続きです。2023年5月からは、両方の会社が対応していれば予約番号の要らないワンストップ方式が使え、従来の2段階方式ではMNP予約番号を取ってから申し込みます。今の契約は先に解約せず、ウェブでの転出は無料です。手続きの前に、キャリアメール、家族割、端末の分割払い、今のスマホが使えるかを確かめておいてください。