人材・働き方

急な退職・休職で現場を止めないために、企業ができること

急な退職や休職で欠員が出たとき、採用を始めるだけでは間に合わないことがあります。最初の数日で止められない業務を洗い出し、代わりにやる・遅らせる・止めるを決める手順と、外の人手を借りるときの確認点、平常時の備えを説明します。

最終確認 2026.09.24制度状況:現行約5分で読めます

この記事で分かること
  • 1人の欠員で現場が回らなくなる理由
  • 止められない業務を洗い出して対応を決める方法
  • 外の人手を借りるときに確かめること
  • 欠員が出る前にしておく3つの準備

結論

急な退職や休職が出たとき、欠員が出てから採用を始めるだけでは、現場が止まる期間を埋められないことがあります。最初の数日でやるのは、止められない業務を洗い出し、「代わりにやる・遅らせる・止める」を1つずつ決めることです。あわせて平常時から業務の一覧と副担当を決めておくと、次に欠員が出たときの混乱が小さくなります。

一人の欠員で現場が回らなくなる理由

少人数の現場では、1人が複数の役割を持っています。たとえば製造の現場で、ラインの段取り替えを担当している人が、資材の発注と、取引先からの納期の問い合わせも受けている、という形です。この人が抜けると、3つの仕事が同時に止まります。

しかも、その人が何を持っていたのかが一覧になっていないことが多いです。毎日の作業は周りも見ていますが、月に1回の発注や、年に数回の届出のような仕事は、期限が来て初めて気づきます。欠員の影響は、抜けた日よりも、その人が持っていた期限の日に表に出ます。

最初に確かめる「止められない業務」

欠員が分かったら、その人が持っていた仕事を書き出し、次のような表に並べます。

業務次の期限止まるとどうなるか対応
資材の発注毎週月曜翌週のラインが止まる代わりにやる
納期の問い合わせ随時取引先への回答が遅れる窓口を1人に決める
設備の点検記録月末記録が抜ける担当を決めて続ける
改善提案のまとめ特になし当面の影響は小さい止める

ポイントは、「止める」と「遅らせる」を選んでよいと先に決めることです。全部を残った人で続けようとすると、優先度の低い仕事に時間を取られ、本当に止められない仕事が遅れます。止めると決めた仕事は、関係する人に「いつまで止めるか」を伝えます。

退職の場合は、本人がいるうちに、この表を一緒に埋めてもらえると助かります。休職の場合は本人に負担をかけないことが先なので、連絡は必要最低限にし、共有のファイルや業務の記録から分かることを優先して埋めます。

注意
引き継ぎのために、本人のアカウントのパスワードを聞き出して共有する形はとらないでください。管理者の側でアクセスの権限を付け直すのが基本です。

社内だけで抱え込まない

欠員の穴を残った人の残業だけで埋め続けると、今度は残った人が疲れて、次の欠員につながります。時間外労働には上限もあります(考え方は繁忙期の人手不足のコラムで説明しています)。

社内でできることには、他部署からの一時的な応援、取引先と相談して一部の期限をずらす、手作業の集計をやめて既にある記録から出す、などがあります。そのうえで、足りない分は外の力を借りることも考えます。「社内で何とかする」を前提にしすぎないほうが、結果として現場が早く戻ります。

応援を頼むときは、全部を一度に渡そうとしないことです。たとえば資材の発注を他部署の人に頼むなら、発注先・いつもの数量の目安・承認する人の3点だけを先に伝えます。止められない業務から1つずつ渡すほうが、頼まれた側も受けやすくなります。

外の人手を借りる場合に確かめること

外部の人手を借りる方法には、派遣や請負などがあります。派遣は、派遣会社が雇う人が、自社の指揮命令を受けて働く仕組みです。派遣を使う場合は、相手が労働者派遣事業の許可を受けた派遣会社かを確かめてください。

請負は、請負事業者が自分の労働者に指示して仕事を進め、労務を管理する仕組みです。発注する側が請負の労働者に直接指示することはできません。契約が請負でも、実態が派遣と同じであれば「偽装請負」となり、労働者派遣法に違反します。

どの方法でも、頼む前に「何の業務を、どこまで、いつまで」を言葉にできているかが大事です。上の表で「代わりにやる」とした行が、そのまま依頼する範囲の下書きになります。

欠員が出る前に準備できること

平常時にできる準備は、大きく3つです。

  • 業務の一覧を作る:担当者ごとに、業務・頻度・次の期限・手順の置き場所を1行ずつ書く
  • 副担当を決める:止められない業務には2人目の名前を書き、年に1回は副担当が実際にやってみる
  • 期限を個人の手帳から出す:月1回や年数回の期限を共有の予定表に載せ、担当者と副担当の両方に知らせが届くようにする

手順書の具体的な作り方は、「その人しか分からない」業務を減らす最初の5つにまとめています。また、勤怠の記録で誰がどの時期にどれだけ働いているかが分かれば、特定の人に仕事が集まっていないかを確かめる材料になります。ほかの人より残業が目立って多い人は、欠員が出たときに影響が大きい人でもあります。

まとめ

急な欠員の影響は、抜けた人が持っていた期限の日に出ます。最初の数日で止められない業務を洗い出し、代わりにやる・遅らせる・止めるを決め、残った人の残業だけで埋めないようにします。外の人手を借りるときは、仕組みの違いと、相手が許可を受けているかを確かめます。平常時に業務の一覧・副担当・共有の期限を用意しておくことが、次の欠員への備えになります。

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