業務改善

3人・5人・10人の会社にグループウェアは必要か

スケジュール・お知らせ・タスク・ファイル・チャット・情報共有を、従業員3人/5人/10人の規模でどう考えるかを整理します。導入したことで連絡がかえって増え、負担になるケースと、その見分け方もあわせて説明します。

約4分で読めます

この記事で分かること
  • 人数より「声が届く範囲」で決める理由
  • 3人・5人・10人で要るものの違い
  • 予定の共有から始める導入の順番
  • グループウェアが負担になる6つの場合

結論

人数ではなく、「声が届く範囲を超えているか」で決めます。同じ部屋にいて全員の予定が見えているなら、グループウェアを入れても連絡の手間は減りません。外出する人、別の拠点、時間差で働く人が出てきた時点から検討する価値が生まれます。

入れる場合も、最初から全機能を使わないでください。使う機能を1つか2つに絞ったほうが定着します。

規模で変わるのは何か

3人のとき

3人なら、口頭とチャットで足ります。導入を考えるとしたら、予定の共有だけです。「誰が何時に外に出ているか」が分からない時間帯があるなら、共有のカレンダーを1つ作ります。それ以外の機能は、使う場面がないまま残ります。

この規模で効くのは、道具より置き場所のルールです。ファイルをどこに置くか、を1行決めるほうが、機能を増やすより早く効きます。

5人のとき

5人になると、全員に同じ話を伝える手間が出てきます。ここで効くのは、お知らせを1か所に置くことです。口頭で伝えた内容が、聞いていない人に届かない場面が増えるためです。

タスク管理を入れるかは、仕事の形によります。案件ごとに担当が固定しているなら、一覧は要りません。一つの案件を複数人で分担するなら、誰が何を持っているかの一覧が効きます。

10人のとき

10人を超えるあたりから、全員が全員の状況を把握するのは難しくなります。予定・お知らせ・ファイルの置き場所の3つは、共通の場所にあるほうが速くなります。

同時に、この規模からは「見せる範囲」を分ける必要が出ます。全員が同じものを見る前提のままだと、扱いに気を使う情報を別の経路に逃がすことになり、結局そちらが主になります。

何から入れるか

順番はこうです。上から1つずつ、1か月ずつ様子を見ます。

  1. 予定の共有:効果が見えやすく、失敗しても損が小さい。まずここから。
  2. お知らせ:伝達を1か所にします。既読の確認まで求めると重くなるので、最初は置くだけにします。
  3. ファイルの置き場所:置き場所を決めるところまでで、フォルダの全面整理には進まないでください。
  4. タスク:分担が動く仕事があるときだけ。
  5. チャット:すでに使っているものがあるなら、無理に移さない。
ここがポイント
すでにチャットが根付いている会社では、そこを動かすのが一番抵抗を生みます。連絡の道具はそのままにして、予定とお知らせだけを移す形でも成立します。

逆に負担になるケース

導入が裏目に出るのは、次のような場合です。当てはまるなら、入れないほうが仕事は進みます。

  • 口頭で足りている範囲に入れる:同じ部屋で全員が見えているのに書き込みを求めると、作業が1つ増えるだけになります。
  • 連絡経路が二重になる:チャットで伝えた内容を、グループウェアにも書く運用になっている。書く側の手間が倍になり、片方が更新されない状態が生まれます。
  • 入力が目的になる:予定を入れることが仕事のように扱われ、実態と合わない予定が並ぶ。誰も見なくなります。
  • 機能を一度に開放する:初日から全機能を使える状態にすると、どこに何を書けばいいかが分かりません。使われない領域が残り、情報が散ります。
  • 管理する人がいない:アカウントの追加・削除、権限の見直しを担当する人を決めていないと、退職者のアカウントが残ります。
  • 監視に見える:誰がいつ何を見たかを細かく確認する運用にすると、書き込みそのものが減ります。
注意
導入の目的が「状況を把握したい」だけの場合は、先に把握できていない理由を確かめてください。道具を変えても、報告が上がってこない原因は変わらないことがあります。

実務ではこうなる

10人の運送会社で、事務所に3人、残りは車で外に出ているとします。

最初に入れるのは予定の共有です。誰がどの時間に戻るかが分かるだけで、事務所からの電話が減ります。次に、お知らせを1か所にします。車両の点検日や休業日のような、全員に同じ内容を伝える連絡が対象です。

一方、日報や配送の記録をグループウェアに入れるのは後回しにします。運転中に入力できないため、結局は事務所での代行入力になり、二重入力が生まれます。ここは、紙のまま残すか、別の方法を考えるほうが現実的です。

3か月経ったら、実際に開かれている機能を確認します。開かれていない機能は、閉じてしまって構いません。使っていない領域を残しておくと、新しく入った人が「ここにも書くのか」と迷います。

このとき、使われなかった理由も一行だけ聞いておきます。「入力する場面がなかった」のか「入力しづらかった」のかで、次にやることが変わります。前者なら閉じる、後者なら入力の場所や手順を見直す、という判断になります。

まとめ

判断の基準は人数ではなく、声が届く範囲を超えているかどうかです。3人なら予定の共有まで、5人ならお知らせを1か所に、10人なら予定・お知らせ・ファイルの置き場所と、見せる範囲の分け方までを考えます。入れるときは1つずつ、1か月ずつ。連絡経路が二重になったり、入力そのものが仕事になったりしていたら、その機能は止めてください。使われていない機能を残しておくほうが、情報の散らばりを増やします。

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