IT基礎

バックアップとアーカイブの違い。戻すための写しと残すための保管

バックアップは壊れたときに元へ戻すための写し、アーカイブは使わなくなったが残す必要があるものの保管です。持っておく期間、探しやすさ、消し方の三つの違いを表にまとめ、混ぜたときに起きることと、フォルダごとに目的を分ける手順を説明します。

最終確認 2026.10.20約3分で読めます

この記事で分かること
  • バックアップとアーカイブの目的の違い
  • 持っておく期間・探しやすさ・消し方の比べ方
  • フォルダごとに目的を書き分ける手順

結論

バックアップは、壊れたり消えたりしたときに元へ戻すための写しです。アーカイブは、もう日々は使わないけれど、決まった期間は残しておく必要があるものの保管です。どちらも「保存」ですが目的が違うので、持っておく期間、探しやすさ、消し方の決め方も変わります。一つのフォルダで両方を兼ねようとすると、どちらの役にも立たなくなりがちです。

同じ「控え」でも、目的が違う

バックアップ
  • 壊れたり消えたりしたときに戻すための写し
  • 新しい時点に入れ替わっていく

→ 戻せるかを確かめる

アーカイブ
  • 使わなくなったが、残すべきものの保管
  • 決めた期間、変えずに置いておく

→ 見つけられるかを確かめる

混ぜると、戻すつもりの写しが古いままだったり、残すべきものが整理で消えたりします。フォルダごとに目的を分けます。

何が違うのか

比べる点バックアップアーカイブ
目的今のデータを元に戻す終わったものを残しておく
中身いま使っているデータの写し本番から外した原本
持っておく期間新しい写しができたら古いものは入れ替える法令・契約・社内の決まりで期間を決める
探し方「いつの時点か」で選ぶ「何の書類か」で探す
消し方決めた世代を過ぎたら入れ替える期間が過ぎたら確認して消す

バックアップは「昨日の状態に戻したい」に答えるもので、アーカイブは「3年前の、あの取引の書類を見たい」に答えるもの、と考えると分けやすくなります。

混ぜると起きること

例えば、架空の小さな事務所で、外付けのドライブに毎晩の写しを取り、それを「昔の書類の保管場所」も兼ねているとします。写しを取るソフトが古い世代を順に入れ替える設定なら、残しておくつもりだった古いファイルも、気づかないうちに入れ替わって消えることがあります。

反対に、終わった案件を本番のフォルダに置いたままにすると、検索のたびに古いファイルが混ざり、古い版を誤って直してしまうことも起きます。毎回のバックアップにも古いものがすべて含まれるため、写しが大きくなり、復元にも時間がかかります。

分け方の手順

  1. フォルダごとに「戻すための写し」か「残すための保管」かを書く
  2. アーカイブには、残す理由と期間の根拠(法令・契約・社内の決まり)を書いておく
  3. アーカイブは、案件名や年度など「何の書類か」で探せる名前と一覧にする
  4. 期間が過ぎたものを誰が確かめて消すか、文書の廃棄の担当を決める
  5. バックアップは、実際に復元できるかを一度試す

法令で保存期間が決まっている書類もあります。例えば国税庁の案内(法人税の帳簿書類等の保存期間)では、帳簿や取引に関する書類の保存期間が示され、事業年度や条件によって長さが変わります。ここでは年数を書かないので、扱う書類ごとに国税庁など所管の公式の案内で確かめてください。データで受け取った書類には、別の保存のルールもあります。

注意点

アーカイブを一か所にしか置いていないと、その場所が壊れたときにまとめて失われます。残すべきもの自体にも、別の場所に控えを持つかどうかを決めておきます。また、期間を決めずに何でも残すと、探せないうえに、消すべきデータまで抱え込むことになります。データの削除も、保存と同じく決めごとの一部です。

解決しない場合の確認先

保存期間がはっきりしない書類は、国税庁の案内や、担当の税理士・社内の総務の担当に確かめます。バックアップの取り方や世代の設定は、使っている機器やソフトの公式の説明書で確かめてください。

確認リスト

  • フォルダごとに目的を書き分けたか
  • アーカイブに残す理由と期間の根拠を書いたか
  • アーカイブを「何の書類か」で探せるか
  • 期間が過ぎたものを確かめて消す担当を決めたか
  • バックアップから実際に復元できるか試したか

今日、まず確認すること

保存しているフォルダを一つ選び、それが「戻すための写し」か「残すための保管」かを書き分けてください。