- バックアップとアーカイブの目的の違い
- 持っておく期間・探しやすさ・消し方の比べ方
- フォルダごとに目的を書き分ける手順
結論
バックアップは、壊れたり消えたりしたときに元へ戻すための写しです。アーカイブは、もう日々は使わないけれど、決まった期間は残しておく必要があるものの保管です。どちらも「保存」ですが目的が違うので、持っておく期間、探しやすさ、消し方の決め方も変わります。一つのフォルダで両方を兼ねようとすると、どちらの役にも立たなくなりがちです。
同じ「控え」でも、目的が違う
- 壊れたり消えたりしたときに戻すための写し
- 新しい時点に入れ替わっていく
→ 戻せるかを確かめる
- 使わなくなったが、残すべきものの保管
- 決めた期間、変えずに置いておく
→ 見つけられるかを確かめる
何が違うのか
| 比べる点 | バックアップ | アーカイブ |
|---|---|---|
| 目的 | 今のデータを元に戻す | 終わったものを残しておく |
| 中身 | いま使っているデータの写し | 本番から外した原本 |
| 持っておく期間 | 新しい写しができたら古いものは入れ替える | 法令・契約・社内の決まりで期間を決める |
| 探し方 | 「いつの時点か」で選ぶ | 「何の書類か」で探す |
| 消し方 | 決めた世代を過ぎたら入れ替える | 期間が過ぎたら確認して消す |
バックアップは「昨日の状態に戻したい」に答えるもので、アーカイブは「3年前の、あの取引の書類を見たい」に答えるもの、と考えると分けやすくなります。
混ぜると起きること
例えば、架空の小さな事務所で、外付けのドライブに毎晩の写しを取り、それを「昔の書類の保管場所」も兼ねているとします。写しを取るソフトが古い世代を順に入れ替える設定なら、残しておくつもりだった古いファイルも、気づかないうちに入れ替わって消えることがあります。
反対に、終わった案件を本番のフォルダに置いたままにすると、検索のたびに古いファイルが混ざり、古い版を誤って直してしまうことも起きます。毎回のバックアップにも古いものがすべて含まれるため、写しが大きくなり、復元にも時間がかかります。
分け方の手順
- フォルダごとに「戻すための写し」か「残すための保管」かを書く
- アーカイブには、残す理由と期間の根拠(法令・契約・社内の決まり)を書いておく
- アーカイブは、案件名や年度など「何の書類か」で探せる名前と一覧にする
- 期間が過ぎたものを誰が確かめて消すか、文書の廃棄の担当を決める
- バックアップは、実際に復元できるかを一度試す
法令で保存期間が決まっている書類もあります。例えば国税庁の案内(法人税の帳簿書類等の保存期間)では、帳簿や取引に関する書類の保存期間が示され、事業年度や条件によって長さが変わります。ここでは年数を書かないので、扱う書類ごとに国税庁など所管の公式の案内で確かめてください。データで受け取った書類には、別の保存のルールもあります。
注意点
アーカイブを一か所にしか置いていないと、その場所が壊れたときにまとめて失われます。残すべきもの自体にも、別の場所に控えを持つかどうかを決めておきます。また、期間を決めずに何でも残すと、探せないうえに、消すべきデータまで抱え込むことになります。データの削除も、保存と同じく決めごとの一部です。
解決しない場合の確認先
保存期間がはっきりしない書類は、国税庁の案内や、担当の税理士・社内の総務の担当に確かめます。バックアップの取り方や世代の設定は、使っている機器やソフトの公式の説明書で確かめてください。
確認リスト
- フォルダごとに目的を書き分けたか
- アーカイブに残す理由と期間の根拠を書いたか
- アーカイブを「何の書類か」で探せるか
- 期間が過ぎたものを確かめて消す担当を決めたか
- バックアップから実際に復元できるか試したか
今日、まず確認すること
保存しているフォルダを一つ選び、それが「戻すための写し」か「残すための保管」かを書き分けてください。