総務・経理

PDFを分けるだけで事務作業が楽になる場面

複合機で10社分の請求書を1つのPDFにしてしまった、資料の一部だけを渡したい、といった場面はPDFの分割で片付きます。実務で起きるケースと、どこで切るかの決め方、分けるときの注意点をまとめます。

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この記事で分かること
  • PDFを分けるだけで片付く5つの場面
  • PDFをどこで切るかを決める4つの基準
  • 分けないままにしておくほうがよい書類
  • 分割したあとの名前付けと元ファイルの扱い

結論

スキャンした書類が使いにくい原因は、中身ではなく「1つのファイルに複数の書類が入っていること」である場合が多いです。分割は地味な作業に見えますが、探す・渡す・保管する、この3つが同時に楽になります。新しい仕組みを入れる前に、まず切り分けだけを試す価値があります。

分けるだけで片付く場面

複合機で10社分を1つにしてしまった

いちばんよくあるのがこれです。請求書10社分をまとめてADFに流し、48ページの1ファイルができあがります。この状態だと、取引先ごとの保管ができません。1社から「うちの分をもう一度送ってほしい」と言われたとき、他社の請求書が入ったまま送るわけにはいかないので、結局そこだけを取り出す作業が発生します。

先に社ごとに分けておけば、保管も再送もその場で終わります。分けたあとに名前を付ければ、取引先名で探せるようにもなります。

綴じられた資料の一部だけを渡したい

40ページの提案書のうち、見積の2ページだけを先方の経理に送りたい場面があります。全部を送ると、社内向けの補足や他部署向けの条件まで渡ることになります。ページを抜き出して渡せば、余計な説明も要りません。

受け取った資料が重すぎる

図面や写真の入ったPDFは、そのままではメールに添付できないことがあります。画質を落として軽くする方法もありますが、相手が要るのが一部だけなら、その章を切り出して送るほうが、内容を損なわずに済みます。

契約書と付属書類が1ファイルになっている

契約書の本文、覚書、印鑑証明、登記事項証明書が1つのPDFに入っていることがあります。保管期間がそれぞれ違い、参照する頻度も違います。同じファイルに入れたままだと、一部を差し替えるたびに全体を作り直すことになります。

会議資料を議題ごとに分けたい

議題が5つある会議の資料を1ファイルで配ると、あとから「3つ目の議題の資料」を探すのに時間がかかります。議事録に添えるときも、議題ごとに分かれていれば対応づけが簡単です。

ここがポイント
分割は「作業を減らす」のではなく、「あとで発生する作業を先に済ませる」処理です。スキャンした直後、まだ中身を覚えているうちにやるのがいちばん安く付きます。

どこで切るかの決め方

切る位置に迷ったら、次の順で考えます。

判断基準
相手が違うか渡す先・請求先が別なら分ける
保管期間が違うか捨てる時期が違うなら分ける
探す単位はどれか「あの1枚」で探すならその単位で分ける
差し替えが起きるか一部だけ更新されるなら分ける

逆に、分けないほうがよい場面もあります。ページ番号が通しで振られていて全体で1つの書類として意味を持つもの、提出先の様式で1ファイルと決まっているものは、そのままにします。契約書の本文と、その契約書に添付することが決まっている別紙も、切り離すと関係が分からなくなります。

迷ったときの目安は「あとで片方だけを渡す場面があるか」です。あるなら分けておきます。ないなら、そのままにしておいて困りません。

実務ではこうなる

例えば、顧問先から届く証憑のスキャンを月ごとに受け取っている税理士事務所を考えます。顧問先が自分でまとめてスキャンするため、1か月分が100ページ近い1ファイルで届くとします。担当者は画面を送りながら、どこから何の書類かを探すことになります。

そこで、届いたファイルを受領時に書類の種類ごとに切り分け、種類と月で名前を付けるところまでを最初の工程にします。1顧問先あたり数分の作業だとします。その後の仕訳の作業では、探す時間を減らせます。

もう1つ効いてくるのが、質問への対応です。顧問先から「先月の口座の控え」と聞かれたとき、100ページの中を探す代わりに、種類で絞って開けば済むようになります。切り分けの数分で、後工程の探す時間を繰り返し減らせます。

注意点

分割したあと、元のファイルをすぐ消さないでください。切る位置を間違えていた場合、元が残っていれば取り直せます。少なくとも次の処理が終わるまでは残します。

分割したファイルの名前を自動で「元の名前_1」「元の名前_2」のままにすると、分けた意味が半分なくなります。中身が分かる名前を付けるところまでが1つの作業です。

ページの向きが混在したまま切ると、あとで読みにくくなります。向きをそろえてから切るほうが、やり直しが起きません。A4とA3が混じっている場合も同じで、先に向きとサイズを整えてから区切ります。

分割そのものは、端末の中だけで済ませられる処理です。共有や同期が要るのは切り分けたあとの保管からで、作業中のファイルまでクラウドに置く必要はありません。手元で完結する処理は手元で速く、共有が要るものだけを共有に回す。この分け方をしておくと、待ち時間が作業の速さを決めることがなくなります。

また、個人情報を含む書類を切り出して社外に渡す場面では、抜き出したページに別の人の情報が写り込んでいないかを確認してください。複合機の裏写りや、前のページの一部が端に入っている場合があります。

まとめ

  • 使いにくさの原因は、1ファイルに複数の書類が入っていることです。
  • 相手・保管期間・探す単位・差し替えの有無で切る位置を決めます。
  • スキャンした直後に分けるのがいちばん手間がかかりません。
  • 分けたら名前を付けるところまでを1つの作業にします。
  • 元のファイルは、次の処理が終わるまで残します。
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