IT基礎

サイトにBotが大量に来る。止めるものと通すものを分ける

アクセス解析で見慣れない自動アクセスが増えると不安になりますが、Botは攻撃目的のものばかりではありません。検索エンジン・監視・AIクローラーなどの種類を整理し、レート制限やWAFでどこまで対応するかを説明します。

最終確認 2026.10.24約4分で読めます

この記事で分かること
  • Botの種類ごとに止めるか通すかの考え方
  • アクセスログでBotを見分ける3つの手がかり
  • robots.txtとレート制限の役割の違い
  • 一律に厳しくしたときに締め出しやすい相手

結論

Botのアクセスが多いこと自体は、異常ではありません。一般に公開しているサイトには、検索エンジンをはじめ多くの自動アクセスが来ます。判断すべきは「数が多いかどうか」ではなく、「サーバーが重くなっているか」「見せたくない場所に来ているか」の2点です。まず種類を見分け、必要なものだけ手当てします。

Botにはいくつもの種類がある

Botという言葉は、自動でサイトを見に来るプログラム全般を指します。目的はばらばらです。

種類何をしているか基本の扱い
検索エンジンのクローラー検索結果に載せるためにページを読む通す
AIの学習・回答用クローラー学習や回答の材料としてページを読む方針を決めて選ぶ
監視サービスサイトが動いているかを一定間隔で確認する通す(自社で契約したもの)
SNSやチャットのプレビュー取得URLを貼ったときの画像や題名を取りに来る通す
価格や記事の収集掲載内容をまとめて取得する負荷と方針しだい
脆弱性を探す目的のもの管理画面やログイン画面を手当たり次第に叩く抑える

最後の行だけを見て全体を判断しないでください。Bot=攻撃ではありません。検索エンジンのクローラーを弾いてしまうと、検索結果に出なくなります。

見分ける手がかり

アクセスログや解析画面では、次の3つを合わせて見ます。

  1. どのURLに来ているか。トップページや記事ページを順に読んでいるなら収集、ログイン画面や存在しない管理画面ばかりなら目的が違います。
  2. 名乗り。ユーザーエージェントには名前が書かれています。ただし名乗りは書き換えられるため、これだけでは決められません。
  3. 接続元。Googleは、自社のクローラーがユーザーエージェント・接続元のIPアドレス・逆引きのホスト名の3つで判別できることを公式ドキュメントで案内しています。名乗りが本物かどうかを確かめたいときは、こうした各社の案内に従います。
ここがポイント
「深夜に同じ1ページへ毎分アクセスがある」といった規則正しい動きは、多くの場合は自社か取引先が入れた監視サービスです。止める前に、契約している外部サービスの一覧を確認してください。

手当ての順番

robots.txt は依頼であって制限ではない

robots.txt は、クローラーに対して読み込んでほしくない範囲を伝えるファイルです。Googleは、robots.txt はクロールの交通整理のためのもので、ページを検索結果から外す仕組みではないと明記しています。従うかどうかは相手しだいでもあります。見せたくない情報がある場所には、robots.txt ではなく認証をかけてください。

レート制限

同じ接続元からの短時間の大量アクセスに上限を設ける方法です。サーバーが重くなる問題には、これがいちばん素直に効きます。上限は、人が普通に閲覧したときの回数より十分に上へ置きます。1ページに画像が20個あれば、1回の閲覧で20回以上の要求が飛ぶ点に注意してください。

WAFやCDNの機能

通信の内容を見て判断する層です。不審な要求を落とす、特定の国からの接続だけ扱いを変える、といった対応ができます。WAFが何をする仕組みかは、別の記事で扱います。

サーバーやCDNによっては、既知のクローラーをまとめて扱う設定が用意されていることがあります。使う前に、その一覧に何が入っているか、外したい相手を個別に戻せるかを、契約しているサービスの公式の説明で確かめてください。一覧の中身はサービスごとに違い、更新もされます。

実務ではこうなる

予約を受けている飲食店のサイトで、月のアクセス数が急に3倍になった例で考えます。解析では訪問者は増えていません。ログを見ると、同じ接続元から検索用のページに数秒おきに要求が来ていました。掲載中のメニューを集めている収集Botでした。

やったことは3つです。検索エンジンと監視サービスは通す設定を先に確認し、検索用ページだけレート制限をかけ、画像の要求が多い時間帯にキャッシュの設定を見直しました。予約フォームには手を入れていません。サイトの表示速度は元に戻り、検索からの流入は変わりませんでした。

注意点

一律に厳しくすると、困る相手のほうを先に締め出します。よくあるのは次の3つです。

  • 検索エンジンのクローラーを弾いて、検索結果に出なくなる
  • 決済や配送の連携先からの通信を落として、注文が止まる
  • 社内からの一括アクセス(サイト内リンクの点検など)を攻撃と判定する
注意
「Botらしきものを全部止める」設定にする前に、止めた結果を一定期間だけ記録する設定(遮断せずに数えるだけ)があるなら、そちらから始めてください。何が引っかかるかを見てから切り替えるほうが安全です。

まとめ

Botは種類で分けて考えます。検索エンジンと監視は通し、収集は負荷しだい、脆弱性を探す目的のものは抑える。robots.txt は依頼、レート制限は負荷対策、WAFは内容の判断と、役割が違う道具を順に当てます。数の多さそのものに反応せず、遅くなっているか、見せたくない場所に来ているかで判断してください。