IT基礎

「流出のお知らせ」が届いたら。漏らされた側が気をつけること

利用しているサービスから個人情報の流出のお知らせが届いたとき、利用者の側でできることを整理します。お知らせを装う偽メールへの注意、使い回したパスワードの変更、本人確認書類を出していた場合の見張り方を、2026年10月の警察庁・金融庁・個人情報保護委員会の注意喚起をもとにまとめます。

最終確認 2026.10.23約4分で読めます

この記事で分かること
  • 流出のあとに偽メールが増えやすい理由
  • お知らせが本物かを確かめる手順
  • パスワードと本人確認書類について今できること
  • 困ったときの相談先

結論

利用しているサービスから「個人情報流出のお知らせ」や「お詫び」のメールが届いたら、まず、そのメールのリンクからログインしないことです。流出した情報を使って、その会社をかたる偽メールが送られてくることがあります。次に、同じパスワードを使い回している所をすべて変え、多要素認証を有効にします。本人確認書類の画像を出していたサービスなら、心当たりのない契約や請求がないかを、しばらく見張ります。

2026年10月に出た注意喚起

2026年10月、不正アクセスによる情報の漏えいが続いたことを受けて、各機関が相次いで注意喚起を出しました。警察庁はサイトで、自らのほか、個人情報保護委員会・国家サイバー統括室・総務省・経済産業省・金融庁の注意喚起をまとめて案内しています。

個人情報保護委員会は10月7日、大量の個人情報を持つ事業者に向けて、安全管理の徹底を求める注意喚起を出しました。金融庁は10月9日、運転免許証などの本人確認書類の画像を含む顧客情報が漏えいする事案が起きているとして、金融機関に、本人確認書類や顔の画像に不自然な点がないかの確認を徹底するよう求めています。

これらの多くは事業者に向けたものです。一方、警察庁の「サイバー警察局便り」2026年10月号(Vol.19)は、個人に向けた注意も載せています。

流出のお知らせが届いたら

リンクから入らない
  • お詫びのメールのリンク
  • 公式アプリ・ブックマークから確かめる
パスワードを変える
  • 使い回していた所もすべて
  • 2段階認証・パスキーを有効に
しばらく見張る
  • 覚えのない契約・請求
  • 電話はいったん切ってかけ直す
警察庁の「サイバー警察局便り」Vol.19 の呼びかけをもとにしています。

流出のあとに起きやすいこと

警察庁の便りは、個人に向けて次の3つを呼びかけています。

  • メールのリンクを安易にクリックしない(流出元の企業をかたる偽メールの可能性がある)
  • 安全なパスワードを設定し、使い回さない(ワンタイムパスワードなどを使う多要素認証も有効)
  • スマートフォンの詐欺電話対策として、「警察庁推奨アプリ」を入れる(警察庁のサイトにある一覧から確かめる)

流出した名前やメールアドレス、電話番号は、それだけでお金を取られるものではありません。ただ、「本物らしい連絡」を作る材料になります。例えば、実際に使っている会社の名前と自分の氏名が入った「お詫びとパスワード再設定のお願い」が届くと、偽物と見分けにくくなります。「流出の件で補償の手続きを」という電話がかかってくる形も考えられます。

自分でできること

場面すること
「お詫び」「お知らせ」のメールやSMSが届いた本文のリンクは開かない。公式アプリか、自分で登録したブックマークから公式サイトを開き、同じお知らせが出ているか確かめる
パスワードの変更を求められた公式サイトから自分でログインして変える。同じパスワードを使っていた他のサービスも変える
ログインの守りを強くしたい2段階認証やパスキーが使えるサービスでは有効にする
本人確認書類の画像を出していた心当たりのない口座開設・契約・審査の連絡や、カードの明細に覚えのない請求がないかを確かめる
電話がかかってきたその場で答えず、いったん切る。カードの裏や公式サイトにある番号にかけ直す

個人情報保護委員会の資料には、ID・パスワードが漏えいしたおそれがあるとき、事業者が初期化するか、利用者に変更を案内するという対策例があります。本物のお知らせでも変更を求められることはあるので、変える作業は、自分で開いた公式サイトで行います。

金融庁によると、改正された犯罪収益移転防止法の施行規則により、同法に基づく本人確認(銀行口座の開設などでオンラインで行うもの)では、2027年4月1日から、本人確認書類の画像を送る方法は廃止され、ICチップの情報を読み取る方法に原則一本化されます。それまでの間は、出した画像が悪用されていないかを、利用者の側でも気にかけておくと安心です。

解決しない場合の確認先

不審なメールや電話で被害にあったかもしれないときは、最寄りの警察署か、サイバー犯罪相談窓口に相談できます。警察庁は、警察相談専用電話「#9110」でも相談できると案内しています。カードや口座に覚えのない動きがあれば、カードの裏や公式サイトにある番号で、すぐにカード会社や金融機関に連絡します。流出したサービスそのものについては、その会社の公式サイトにある問い合わせ窓口を使います。

確認リスト

  • 「お知らせ」のメールのリンクからログインしていないか
  • 流出したサービスと同じパスワードを、ほかで使っていないか
  • 主なサービスで2段階認証やパスキーを有効にしたか
  • 本人確認書類を出したサービスを思い出せるか
  • カードの明細に覚えのない請求がないか

今日、まず確認すること

流出のお知らせが届いたサービスと同じパスワードを使っているサービスを書き出し、公式サイトから順に変えてください。